小説・めぐみ園の夏

小説・めぐみ園の夏(8)

高杉良
執筆者:高杉良 2016年7月2日
エリア: 日本
GHQ占領下の当時、世の中は騒然としていたが……(C)時事

 

【前号までのあらすじ】

浩の陰険さを懸念して自らボクシング大会での勝負を持ち掛けた亮平は、打ち合わせのために浩から早朝呼び出されたが、その場でいきなり不意打ちのパンチを頬に食らう。翌朝、久保田と石橋に打ち明けるが、やはり高井と園田に仕返しの相談をしようと思うのだった。

 

第3章 暴力少年(承前)

 

   6

 

 久保田勝の態度は意外にも冷静だった。

「浩ちゃんって悪がしこいし、暴力をふるうから困るんだ。“奥”でも手を焼いてるんじゃないかなぁ。あのまま大人になったら、どうなっちゃうんだろう」

 石橋太郎が引き取った。

「勝は1期生だから俺より詳しいけど、“お父さん”も“お母さん”も分かってるんだよ。知らんぷりしてるけど、困ってるんじゃねぇのか。亮ちゃんがぶんなぐられたことを聞いたとしても、知らんぷりに決まってるよ」

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執筆者プロフィール
高杉良
高杉良 1939(昭和14)年、東京生まれ。科学専門紙記者、編集長を経て1975年『虚構の城』で作家デビュー。以来、経済界全般にわたって材を得、綿密な取材によって徹底したリアリティにこだわった問題作、話題作を次々に発表している。主な作品に『小説 日本興業銀行』『労働貴族』『広報室沈黙す』『燃ゆるとき』『濁流』『金融腐蝕列島』『不撓不屈』『虚像』『第四権力』『小説ヤマト運輸』などがある。
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