米誌で読む「STAP細胞」真相(下)「発見した瞬間」の話も「盗用」だった

執筆者:大西睦子 2016年7月7日
タグ: 日本
エリア: 北米 アジア

 小保方晴子氏の帰国後、当時、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)副センター長だった笹井芳樹氏は、彼女の研究に関心を抱きました。小保方氏がバカンティ研究室での研究データを説明したとき、笹井氏は、自分の指導で論文をまとめれば『ネイチャー』に掲載されることを確信したという趣旨のことを騒動の際の会見などで述べています。米高級誌『ザ・ニューヨーカー(THE NEW YORKER)』の記事の中で、筆者のダナ・グッドイヤー記者は、もしこの発見でノーベル賞が受賞できなくても、莫大な富をもたらすであろうことまで笹井氏は考えたのではないかと推察しています。

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執筆者プロフィール
大西睦子(おおにしむつこ) 内科医師、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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