EUの来た道(上)「英国離脱」で「統合」は止まるのか?

渡邊啓貴
執筆者:渡邊啓貴 2016年7月7日
エリア: ヨーロッパ
6月30日、記者会見し、英保守党党首選への不出馬を表明したジョンソン前ロンドン市長 (C)AFP=時事

 欧州統合の先が見えない。
 英国の国民投票の結果が出た直後、欧州連合(EU)首脳会議は厳しい姿勢でイギリスに早期の離脱通告を迫った。しかし英国の離脱派に先のシナリオはなかった。6月30日に離脱派の旗振り役のボリス・ジョンソン自身がキャメロン後の保守党党首選の候補をさっさと降りてしまった。無責任の極みであるが、すでにジョンソン氏は支持者の信用を全く失ってしまっていた。EU離脱の大きな理由の1つであったEUへの拠出金を医療費に回すと有権者に訴えたにもかかわらず、投票後のテレビインタヴューで同氏は「約束はしていない」と一転。次期党首はメイ内務大臣の線が有力となっているが、いずれにせよ英国に対する信用の失墜は加速された。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1954年生れ。パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員研究員、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。
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