インド各州に広がる「禁酒法」の功罪

執筆者:緒方麻也 2016年8月12日
タグ: 中国 インド
エリア: アジア
インドではこういう酒屋も極めて少ない(C)AFP=時事

 

 ようやく酒文化が根付きつつあったインドの各州に「禁酒法」制定の動きが広がっている。現与党が州議会選の公約で禁酒を掲げた北部ビハール州では今年4月から酒の販売・消費を禁止、8月には禁酒規定をさらに厳格化した。南部タミルナドゥ州やケララ州政府も、段階的な禁酒措置を導入すると表明している。市民の間にアルコール依存症が広がり、大きな社会問題になっていることなどが背景だが、禁止措置によって貴重な税収源が失われる上、隣接他州からの密輸増や密造酒飲用による健康被害などさまざまなネガティブ要因も懸念されている。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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