オバマ「核先制不使用」で「日本核武装」論は加速するか

村上政俊
執筆者:村上政俊 2016年8月18日

 米有力紙ワシントン・ポストは、8月4日、オバマ大統領が核実験全面禁止を求める決議案の国連安全保障理事会への提出を検討していると報じた。これに先立ち7月10日には、来年1月20日までの残り任期の間に、核兵器の先制不使用(No first use, NFU)の宣言を検討していると報じた。これに呼応するかのように、クリントン前国務長官と民主党大統領候補の座を争ったサンダース上院議員が、オバマに対して先制不使用を求める書簡を送るなど、米国内での動きが俄かに活発になっている。
 日本国内では、沖縄タイムスが「〈米の核先制不使用策〉日本は抵抗勢力と堕すのか」という記事を配信するなど左派は歓迎の色を示した。しかし、これも報道によれば、安倍晋三首相は7月26日、首相官邸に表敬で訪れた日系人のハリス太平洋軍司令官に対して、北朝鮮情勢を挙げつつ、先制不使用に反対の意向を伝達したという。日本にとどまらず、メイ首相が「核のボタン」を躊躇なく押すと表明したイギリス(「『3つの柱』を打ち出した英国『メイ新政権』の外交戦略に学べ」参照)、同じくアメリカの同盟国の韓国なども反対だという。

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執筆者プロフィール
村上政俊 1983年7月7日、大阪市生まれ。現在、同志社大学嘱託講師、同大学南シナ海研究センター嘱託研究員、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。東京大学法学部政治コース卒業。2008年4月外務省入省。第三国際情報官室、在中国大使館外交官補(北京大学国際関係学院留学)、在英国大使館外交官補(ロンドン大学LSE留学)勤務で、中国情勢分析や日中韓首脳会議に携わる。12年12月~14年11月衆議院議員。中央大学大学院客員教授を経て現職。著書に『最後は孤立して自壊する中国 2017年習近平の中国 』(石平氏との共著、ワック)。
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