小説・めぐみ園の夏

小説・めぐみ園の夏(14)

高杉良
執筆者:高杉良 2016年10月15日
エリア: 日本
GHQ占領下の当時、世の中は騒然としていたが……(C)時事

 

【前号までのあらすじ】

突然の来園から1週間後、旧友たちが市川小学校の同窓会を提案してくれたため、折笠先生がめぐみ園の”お母さん”に許可を求めたが「亮平の特別扱いは許されない」とニベもない。そこで旧友2人は”お母さん”に直談判。丁々発止のやり取りを繰り広げ、しぶしぶながらもようやく許可を得るのだった。

 

 待ちに待ったクラス会の日、亮平は午前10時にめぐみ園から外出することが許された。折笠先生に事情を話したところ、「それぐらいは先生の一存で了承しましょう。せっかくのお友達のお誘いを断るのは失礼だし勿体ないと思います」と言ってくれたのだ。

 折笠先生はついでに電車賃まで用立ててくれた。

 芝崎家は市川で手広く大工業を営んでいて裕福だった。

 下山は遠慮して来なかったが、昼食は心づくしのちらし寿司ととんかつなどだった。

 芝崎の母親の親切さ、面倒見の良さは亮平の胸に染み入った。

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執筆者プロフィール
高杉良
高杉良 1939(昭和14)年、東京生まれ。科学専門紙記者、編集長を経て1975年『虚構の城』で作家デビュー。以来、経済界全般にわたって材を得、綿密な取材によって徹底したリアリティにこだわった問題作、話題作を次々に発表している。主な作品に『小説 日本興業銀行』『労働貴族』『広報室沈黙す』『燃ゆるとき』『濁流』『金融腐蝕列島』『不撓不屈』『虚像』『第四権力』『小説ヤマト運輸』などがある。
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