トランプ新体制と朝鮮半島(中)「崔順実ゲート」と「拘留米国人」

平井久志
執筆者:平井久志 2016年11月17日

 当選後のトランプ氏は暴言を控え、いたって穏健だ。「トランプ候補」と「トランプ大統領」の間には大きなギャップがある。
トランプ氏は当選後の11月10日午前(日本時間)、朴槿恵(パク・クネ)大統領と電話会談をした。朴槿恵大統領が「韓米同盟関係はこの60年間、挑戦に立ち向かって信頼を構築し、アジア太平洋地域の平和と安定の礎となってきた。今後も、共同の利益のため、多様な分野で同盟関係を強化、発展させていくことを期待する」と述べると、トランプ氏は「100%同意する」と答えた。

米韓同盟維持ととれる電話会談

 韓国政府によると、トランプ氏は「米国は韓国防衛のために、強固な防衛態勢を維持する」とし「揺らぐことなく、韓国と米国の安全保障のため、最後まで共にする」と強調した。
 朴大統領は北朝鮮の核問題が、米韓が直面する最も大きな脅威であると指摘し、米政権の移行期に北朝鮮が挑発を行う可能性について述べ、挑発には断固として対応するよう緊密に協力する必要性を強調した。
 トランプ氏は当面は米韓同盟堅持の韓国の主張に耳を傾け、これに同調する穏健な姿勢をみせた。米韓の電話会談は、当選直後の祝賀電話の色彩が強く、具体的な政策はトランプ次期政権の朝鮮半島チームがどういうメンバーで構成されるかによってその輪郭が浮かび上がって来るだろう。まだ、その具体像は見えない。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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