饗宴外交の舞台裏 (223)

パリに乗り込んだ京都「宇治茶外交」の可能性

執筆者:西川恵 2016年12月20日
タグ: フランス 日本
エリア: ヨーロッパ アジア
夕食会の出席者は珍しいコラボを楽しんだ(京都府提供)

 

 自治体外交が活発化している。これまで外交といえば国同士のやり取りだったが、自治体が国を通さずに直接、相手国の自治体や地域社会、人びとにアプローチするケースが増えている。国を介在させず、直に働きかけることで、狙いや意図するところを仔細に相手に伝え、成果に結び付けられるからだ。1つの例をご紹介しよう。

 パリの三ツ星レストラン「ル・サンク」はホテル「ショルジュサンク」の中にあるメインダイニングである。11月25日、宇治茶とフランス料理のコラボレーションの夕食会が日仏関係者約40人を招いて開かれた。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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