朴大統領「弾劾列車」の終着駅は?(下)「潘基文」も参戦した次期大統領選の行方

執筆者:平井久志 2016年12月22日
グテーレス次期国連事務総長(右)と抱き合う潘基文氏だが、韓国大統領への道は険しい (c)AFP=時事

 一方、政界の動きはどうだろうか。与党・セヌリ党は分裂が確定的となった。
 セヌリ党非主流派のリーダー格である金武星(キム・ムソン)元代表、劉承旼(ユ・スンミン)元院内代表を含む国会議員31人は12月21日、議員会館で会合を持ち、27日に集団で離党することを決めた。同グループはこの会合に参加しなかった議員の中にも離党に合流を表明している議員がおり、27日には35人が離党するとしている。そうなれば、セヌリ党は第1党から転落、朴槿恵大統領を支持する与党勢力は3分の1以下になる。早まるとみられる大統領選挙をにらみ、韓国政界の再編が急速に進みそうだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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