加入件数11億「インド携帯電話業界」で始まった「仁義なき再編」

執筆者:緒方麻也 2017年2月23日
タグ: ロシア インド
エリア: アジア
 

 

 世界最速の成長と世界最安の通話料金で知られるインドの携帯電話サービス業界が、再び利益なき価格競争に突入した。台風の目は、昨年9月から4G(第4世代携帯電話)サービスに参入した大手財閥系の「リライアンス・ジオ・インフォコム」。同社は、昨年12月末までの4カ月間限定でスタートした無料通話・無料データ通信キャンペーンを2017年3月末まで延長する積極策で、1日6~7万件という驚異的なペースで新規加入者を獲得し、2月下旬には営業開始からわずか半年弱で加入者1億件を達成した。これに対抗し、最大手で約2.6億件の加入者を抱える「バルティ・エアテル」や2位「ボーダフォン」、3位の「アイデア・セルラー」など、上位各社も同様の値引きや無料通話プランを相次ぎ導入している。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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