「インフレ4ケタ」「死者80人」ベネズエラ危機の「見えない出口」

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2017年6月30日
エリア: 北米 中南米
国際社会も「無力」のマドゥロ大統領「独裁」状態が続いている

 

 6月19日から21日までメキシコのカンクンで米州機構(OAS)の第47回年次総会が開かれた。初日の19日を、ベネズエラ危機を討議する外相特別会議に当てたが、深刻化するベネズエラの人権や人道上の問題に対し、国際社会はまたも無力さをさらけ出す結果となった。

 会議は事前に予想されたように、ベネズエラのマドゥロ政権の独裁化を非難し、危機の打開に向けて関与を果たそうとする米州の多数派の国々と、内政不干渉を盾に「人道的危機を口実にした介入」に反対するベネズエラとそれに同調する国々との対立構造が再現された。結果として、総会全体を通しても、民主的規範を逸脱する現体制に対する非難も、地域共同体としての危機への対応方針も確定できないまま閉会となった。ベネズエラ国内の事態の深刻化をよそに、まさに「会議は踊る」の状況が続いた。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄 筑波大学大学院教授、人文社会系長。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(編著)。
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