【ブックハンティング】この国における司法の意味を問い直す

宇野重規
執筆者:宇野重規 2017年7月12日
カテゴリ: 政治 社会 書評
エリア: 日本

 裁判所について、私たちはいったい何を知っているのか。この本を読んでいて、だんだん不安な気分になってきた。裁判官とはどのような人々であり、司法権とはこの国においていかなる役割をはたしているのか、そもそも裁判とは何をすることなのか−−−−これらのことについて、私たちは何も知らないし、知らないことを問題にすらしてこなかったのではないか。

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 一例をあげれば、刑事裁判の有罪率の高さである。本書によれば、その率は99.9%に上るという。これは実質的にいえば、起訴されてしまえば、有罪になるのと等しいということである。仮に日本の検察が極めて優秀であるにしても、この数字はいくら何でも高すぎるのではないか。そこには冤罪も含まれているのではないか。これらの疑問は当然のように湧き起こってくるであろう。

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執筆者プロフィール
宇野重規 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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