軍事のコモンセンス (25)

「情報」ということ(下)

執筆者:冨澤暉 2017年7月16日
タグ: 自衛隊 中国 日本
エリア: アジア
東京・市谷の防衛省庁舎。ここが情報収集のための「長い耳」になっているはずなのだが (C)時事

 

 すべての作戦(政策)は、その時の「状況判断」から生まれるものである。その状況のすべてを知り尽くすことは困難だが、その作戦(政策)を推進する上での大事な要素だけは漏れなく調べ上げ、特に作戦の遂行に多大な影響を及ぼす要因については、しかるべき利用方法と制御対策を準備して「最良の方策」を決定し、実行に移さなければならない。

 ところで、具体的な「戦闘」に大きな影響を与える要素とは何なのだろうか。色々な意見があろうが、ここでは米軍の将校たちが「戦場で状況判断をする時に、最小限考えるべき要素」として教えられてきた「METTT(メッツ)」という略語を紹介する。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
冨澤暉(とみざわひかる) 元陸将、東洋学園大学理事・名誉教授、財団法人偕行社理事長、日本防衛学会顧問。1938年生まれ。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊。米陸軍機甲学校に留学。第1師団長、陸上幕僚副長、北部方面総監を経て、陸上幕僚長を最後に1995年退官。著書に『逆説の軍事論』(バジリコ)、『シンポジウム イラク戦争』(編著、かや書房)、『矛盾だらけの日本の安全保障』(田原総一朗氏との対談、海竜社)。
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