ベネズエラ危機で「軍」はどう動く:「制憲議会選挙」を前に最大の山場

執筆者:遅野井茂雄 2017年7月27日
エリア: 北米 中南米
軍の出方次第で……(C)EPA=時事

 

 本サイト6月30日付の拙稿(「インフレ4ケタ」「死者80人」ベネズエラ危機の「見えない出口」)の続報である。

 延命の秘策としてマドゥロ政権は7月30日に制憲議会選挙を強行しようとしているが、それに対し、国際的枠組みによる支援を断たれた形の反政府勢力は、抗議行動を強めると同時に、独自の代替案を提示して政権の非正統性を世界に訴え、必死に事態の打開に向け動いている。二重政府の存立による内戦に近い状況が生まれつつあると言っても過言ではなく、ベネズエラ危機は大きな転換点に差し掛かった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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