マネーの魔術史
マネーの魔術史(14)

誰でも銀行券を発行できた「ヤマネコ銀行」の時代

野口悠紀雄
執筆者:野口悠紀雄 2017年8月31日
エリア: 北米
(C)AFP=時事

 

 1836年に第2次アメリカ合衆国銀行の定款更新が拒否されると、連邦政府は銀行に関する規制から手を引いた。権限は各州に委ねられ、さまざまな銀行業務の自由化が行われた。

 なかでも重要なのは、銀行券を発行する自由だ。この時からおよそ30年の間、アメリカでは誰でも銀行券を発行できた。 銀行はもちろん、鉄道会社や商店、そして教会や個人までもが発行できた。この時代は、「フリーバンキングの時代」と呼ばれる。

 紙幣の発行者は、「ワイルドキャットバンク」(ヤマネコ銀行)と呼ばれた。これについての詳しい説明が、Gerald P. Dwyer Jr.、Wildcat Banking, Banking Panics, and Free Banking in the United States  にある。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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