「運行を熟知したメーカー」JR東日本の可能性――海を越える日本の鉄道車両 4

執筆者:船木春仁 2008年7月号

 今年三月、東日本旅客鉄道(JR東日本)は、「グループ経営ビジョン二〇二〇」を発表した。その中に、おやっと思わせる一節がある。「将来のために戦略的に取り組む新たな事業分野の開拓」の柱として、「海外における事業の可能性に挑戦」という一文が盛り込まれていたのである。ビジョンで、こうした文言が盛り込まれたのは初めてのことだ。 国土交通省交通政策審議会鉄道部会臨時委員の家田仁・東京大学大学院工学系研究科教授(交通政策)は、「盛り込まれましたね。国内の鉄道市場が縮小するなかで、日本の優れた鉄道技術を継承発展させるには海外市場への取り組みが不可欠であることは審議会でも議論になっていました。個人的にも他の審議会のメンバーと共に、まずは目標でよいから盛り込みましょう、と働きかけていたのです」と打ち明ける。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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