イタリア「毒ワイン」とゴミ問題の連鎖

「ナポリを見て死ね」と言われた世界一の観光都市が、いまや廃墟同然。何が起こっているのか。[ローマ発]約三百万の人口を擁するイタリア第三の都市ナポリ(カンパニア州の州都)が、三十万トンものゴミに埋もれようとしている。「千九百年ばかり前、ベスビオ火山の噴火でポンペイが灰に埋もれて以来の脅威だよ。しかも今回は灰ではなく、有毒なゴミが襲ってくるんだ!」。ナポリのベテラン写真家ジョバンニ・マンゴーネは嘆く。「カンパニア州では日に七千二百トンのゴミが出る。だがそれを回収する者はいない。まさに悪夢だ」。 悪夢はそれだけではない。世界中でピザのトッピングとして使われ、イタリア産チーズの中でも最もよく知られたモッツァレラチーズは、水牛の乳を原料とする同州の特産品だが、そのモッツァレラがダイオキシンに汚染されていたのだ。

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