北朝鮮「新人事」を読む(3)実妹「金与正」抜擢の理由

執筆者:平井久志 2017年10月24日
エリア: アジア
党政治局員候補に大抜擢された、金正恩党委員長の実妹・金与正氏(中央) (C)時事

 

 今回の人事では、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の実妹である金与正(キム・ヨジョン)氏が、党政治局員候補に選出された。

 金与正氏は1987年生まれ、88年生まれ、89年生まれという諸説がある(誕生日は9月26日)。とにかく、30歳になるかならない年齢での党政治局員候補は破格の昇進だ。

 日本のメディアではこの人事が注目されているが、党政治局員候補になったこと自体はそれほど大きな意味はないとみられる。金与正氏が金正恩政権で果たしている役割は、職責によって生まれているのではなく、最高指導者の実妹だから生じているためだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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