風の向こう側 (10)

「敗北は勝利の始まり」ジャスティン・トーマス物語

執筆者:舩越園子 2017年10月26日
タグ: 韓国 アメリカ
エリア: 北米
「惜敗」の積み重ねがトーマスを強くした(C)AFP=時事

 

 昨季は「全米プロゴルフ選手権」を制し、メジャー1勝を含むシーズン5勝を達成。米ツアーの年間王者の座を獲得した上に、選手投票で選ばれるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーにも輝いたジャスティン・トーマス(24)。今季も開幕早々に韓国で初開催された米ツアーの新大会「ザ・CJカップ@ナインブリッジ」を制して通算7勝目を達成し、世界ランクは現在3位(10月23日時点)。

 文字通り、世界のトッププレーヤーとしての揺るぎない地位を確立したトーマスだが、私の記憶の中で最も印象に残っているのは、彼が挙げた数々の勝利のシーンではなく、米ツアーで初めて優勝争いに絡んで負けた敗北のシーンだ。

カテゴリ: スポーツ
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執筆者プロフィール
舩越園子(ふなこしそのこ) ゴルフジャーナリスト、2019年4月より武蔵丘短期大学客員教授。1993年に渡米し、米ツアー選手や関係者たちと直に接しながらの取材を重ねてきた唯一の日本人ゴルフジャーナリスト。長年の取材実績と独特の表現力で、ユニークなアングルから米国ゴルフの本質を語る。ツアー選手たちからの信頼も厚く、人間模様や心情から選手像を浮かび上がらせる人物の取材、独特の表現方法に定評がある。『 がんと命とセックスと医者』(幻冬舎ルネッサンス)、『タイガー・ウッズの不可能を可能にする「5ステップ・ドリル.』(講談社)、『転身!―デパガからゴルフジャーナリストへ』(文芸社)、『ペイン!―20世紀最後のプロゴルファー』(ゴルフダイジェスト社)、『ザ・タイガーマジック』(同)、『ザ タイガー・ウッズ ウェイ』(同)など著書多数。最新刊に『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)がある。
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