連載小説 Δ(デルタ)(28)

執筆者:杉山隆男 2017年10月28日
エリア: アジア
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島と北小島、南小島 (C)時事

 

【前回までのあらすじ】

陸上自衛隊の秘密特殊部隊「デルタ」29名はセンカクへ赴くべく、航行中の海上自衛隊の護衛艦「かが」に向かおうとしていた。そこに飛び込んできた、中国旅客機の「事故」による那覇空港閉鎖の報道。全員が耳をそばだてた。報道は、さらに不思議なことを伝えていた。旅客機機長の所在がわからないという。「デルタ」の磯部1尉は直感した。「戦争」はすでにはじまっているのだ――。

 

     23(承前)

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執筆者プロフィール
杉山隆男(すぎやまたかお) 1952年、東京生れ。一橋大学社会学部卒業後、読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興亡』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1996年『兵士に聞け』で新潮学芸賞受賞、以後『兵士を見よ』『兵士を追え』とつづく「兵士シリーズ」は7作目の『兵士に聞け 最終章』で完結した。ノンフイクション、小説、エッセイなど精力的に執筆し、『汐留川』『昭和の特別な一日』『私と、妻と、妻の犬』など著書多数。
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