日本人のフロンティア
日本人のフロンティア(8)

1950年の「世界」と「日本」――中曽根康弘の欧米旅行

北岡伸一
執筆者:北岡伸一 2017年11月8日
外遊から5年後、37歳の中曽根康弘元首相 (C)時事

 

 今から67年前の1950年。敗戦から5年、まだ復興も進まず、GHQの支配下にあって、海外旅行もほとんど不可能だったころ、世界を見て歩いた政治家がいた。中曽根康弘である。(注1。本文末に、以下同)

 今回は、1950年の中曽根の見聞を手がかりに、世界と日本がこの67年間にどのように変化してきたかを、考えてみたい。とくに中曽根が外交と安保の問題をどのように考えたかを、注意して見ていきたい。

第2の「岩倉使節団」

 中曽根は1918年生まれ。旧制静岡高等学校を経て1941年、東京帝国大学法学部政治学科を卒業し、4月、内務省に入った。しかし、在学中に海軍短期現役士官制度に応募して合格しており、内務省に入ってから2週間ほど勤務しただけで、すぐに海軍経理学校に入り、同年8月、卒業して海軍主計中尉となった。そして戦争を経験し、戦後は内務省に復帰したが、祖国の復興の前面に立ちたいと考え、1947年の戦後2回目の総選挙に立候補し、当選した。

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執筆者プロフィール
北岡伸一 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』など。
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