出生率上昇、人口増を目指し、一定の成果を上げたプーチン大統領(中央)だが (C)AFP=時事

 

 フランスの著名な歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏が『毎日新聞』(12月10日)のインタビューで、先進国では出生率が高いフランスは「経済も治安も悪い」が、「次世代の人口が維持できるので数十年後も存続する。日本はわからない」と日本の人口減少に警告。「出生率アップのいい事例はロシア。ぜひロシアの政策を研究すべきだ」と提言した。ロシアはソ連邦崩壊後の経済危機で、毎年人口が大幅に減少したが、ウラジーミル・プーチン露大統領は積極的な財政的インセンティブを導入し、出生率は著しく改善した。昨年から再度低下し始めると、大統領は最近、新たな出産奨励策を発表した。国家存亡にかかわる人口減少に直面する日本にとって、「人口対策はプーチンに学べ」ということになる。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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