やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲(3)

素手にぎり

阿川佐和子
執筆者:阿川佐和子 2018年1月7日
エリア: 日本
おにぎりは素手で握らないとおいしくない」

 

 ゴルフに出かけるときはたいがいコンビニで朝ご飯を買う。寝静まる早朝の道路脇にてチロリンチロリンとドアの呼び鈴も高らかに、売り場の奥へ歩み寄り、さておにぎりにしようか、それともサンドイッチにしようか。迷い迷ってどちらかを選ぶ。その日の気分にもよるが、六四の割合でおにぎりを選ぶことが多い。で、具は何にしよう。鮭にしようか、それとも梅か……。明太子、とり五目、ツナマヨ……。ああ、目移り。人生は選択の積み重ねなりと心に唱えつつ、そして結局、選ぶのは梅か鮭となる。たまには他の具にしてみようと思うのに、結局、梅か鮭をつかみ取る。

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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