不動産王が買い占めた東映株の「価値」

執筆者:清水常貴 2008年8月号
タグ: アメリカ 日本

落ち目といわれて久しい東映に目をつけた人物がいた。果たして狙いは土地なのか。たしかにそれくらいしか――。「不動産王の株買占め」と株価上昇を喝采する証券マンもいる。国内最大の不動産ファンド「ダヴィンチ・アドバイザーズ」(七月一日から持株会社化しダヴィンチ・ホールディングスに)だ。これまでは巨額の私募ファンドで資金を集め、東京・渋谷区の新宿マインズタワーを筆頭に国際赤坂ビル、“軍艦ビル”と呼ばれる芝パークビル、東京駅前のパシフィックセンチュリープレイス丸の内のオフィス部分など、大型のビルを買い漁ってきたが、最近は不動産ばかりでなく、「アルガーブ」や「プラト」といった傘下のファンド運用会社名で上場企業の株を買い集めているのである。ざっと挙げるだけでも明電舎、東京機械製作所、イヌイ建物、ユアサ・フナショク、東映、サンテック……。

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