中国の夢、日本の『眼識』
中国の夢、日本の『眼識』(1)

連載を始めるにあたって

井尻秀憲
執筆者:井尻秀憲 2018年2月23日
福澤諭吉は『文明論之概略』で当時の中国についても論じている(お馴染みの1万円札より)

 

 21世紀に入って、欧米中心の見方や思考は変容を迫られている。日本は近代に入り、アジアからの離脱を急速に始めて欧米的な近代国家となった。いわゆる「脱亜入欧」だ。逆に中国は近代化に失敗した。

 私が日中の文明の比較・衝突に目を向けるのは、日本文明が基本的に中国文明と異なる側面を有しているからだ。また、日本が19世紀に近代化を遂げながらも、西欧文明とは異なる独自の日本文明を作り上げたからでもある。日本は近代化されたが、西欧にはならなかったのだ。

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執筆者プロフィール
井尻秀憲 1951年、福岡県生まれ。東京外国語大学名誉教授。同大学中国語科卒業。同大学大学院を経て、カリフォルニア大学バークレー校政治学部大学院博士課程修了。政治学博士(Ph.D.)。神戸市外国語大学助教授、外務省在北京大使館専門調査員、筑波大学助教授、東京外国語大学教授、同大学大学院教授などを歴任。著書に『アメリカ人の中国観』 (文春新書)、『李登輝の実践哲学―五十時間の対話』(ミネルヴァ書房)、『迫りくる米中衝突の真実』(PHP研究所)、『中国・韓国・北朝鮮でこれから起こる本当のこと』 (扶桑社BOOKS)、『アジアの命運を握る日本』(海竜社)などがある。
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