日本人のフロンティア
日本人のフロンティア(15)

日本に「マンネルヘイム」はいないのか――フィンランドで思うこと

北岡伸一
執筆者:北岡伸一 2018年6月7日
エリア: ヨーロッパ ロシア
 
ヘルシンキ大聖堂とアレクサンドル2世像(JICA提供)

 4月下旬にフィンランドを訪ねた。首都ヘルシンキで驚いたのは、町の中心の広場にアレクサンドル2世の立像が立っていたことである。ソウルの中心部に伊藤博文の銅像が立つことは、考えられない。それと似たような驚きを感じたのである。

 私のフィンランドについての知識は、僅かなものだった。フィンランドがロシアの圧政に苦しみ、そこから立ち上がって独立を果たしたこと、ジャン・シベリウスの交響詩「フィンランディア」は、この独立運動を背景としていたこと、日露戦争における日本の勝利がフィンランドで歓迎されたこと、第2次世界大戦において、ソ連との戦いに善戦して(冬戦争)、独立を維持したこと、戦後はソ連を配慮しつつ慎重な中立外交を推進したこと、その程度だった。

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執筆者プロフィール
北岡伸一 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』など。
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