ヨーロピアン・ラプソディ (14)

「スペイン新首相」は膠着「カタルーニャ問題」に風穴を開けられるか

執筆者:大野ゆり子 2018年6月13日
エリア: ヨーロッパ
スペインの首相に就任したのはペドロ・サンチェス社会労働党書記長。あだ名は「イケメン」! (C)AFP=時事

 

 膠着状態が続いていたスペイン・カタルーニャ情勢に、突如、新しい局面が訪れた。6月に入って、スペインとカタルーニャ州が同時期に、新しい首班のもと新内閣を発足させるという、少し前には予想もつかなかった展開が始まっている。

 ラホイ前スペイン首相とプチデモン前カタルーニャ州首相は、昨年8月にバルセロナでテロが起きるまで、お互いの携帯電話番号さえ知らなかったと、最近出版された本で明らかにされた。それに比べると、今回の新政権では国、州のどちらも、閣僚たちが「対話」という言葉を、繰り返して強調している。しかし、2020年には総選挙が予定されているだけに、実際、どのぐらい情勢に風穴が開けられるのか、注目が集まっている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
大野ゆり子(おおのゆりこ) エッセイスト。上智大学卒業。独カールスルーエ大学で修士号取得(美術史、ドイツ現代史)。読売新聞記者、新潮社編集者として「フォーサイト」創刊に立ち会ったのち、指揮者大野和士氏と結婚。クロアチア、イタリア、ドイツ、ベルギー、フランスの各国で生活し、現在、ブリュッセルとバルセロナに拠点を置く。
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