灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(2)

執筆者:佐野美和 2018年6月30日
タグ: 中国 ロシア 日本
エリア: アジア

第1章 妾腹の美少女

まだ髷を結っていた頃の藤原あき。正確な撮影年は不詳。この後、あきは波瀾万丈の人生を送ることになる(自伝『雨だれのうた』(酣燈社)より)

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 わたしは子供を産んでも処女だったわ――。

 明眸皓歯(めいぼうこうし)の表情をきかせ、後年、藤原あきは自分の半生をこう回想している。

 個人の自由や権利など主張することが出来ない封建的な世の中で、ましてや若い娘の意志や夢などに誰が耳をかしただろう。

 明治維新から世の中が大きく変わりつつあっても、あきが生まれた明治30(1897)年という時代はまだ、娘は家長や親せきが決めた家に嫁いでいかねばならなかった。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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