【フォーサイトノンフィクション】 いまやパキスタン人が“主役”となった中古車オークション

執筆者:清水常貴 2008年12月号
タグ: ロシア 日本

内なる外国人の活躍は、中古車業界でも目ざましい。予想される売れ行きの落ち込みを救うのも彼らなのか――。 世間の不況風を尻目にここだけは熱気を帯びている。千葉県野田市にあるユー・エス・エス(USS=東京証券取引所一部上場)の東京会場。ここは世界最大の中古車オークション会場だ。バブル崩壊で建設計画が挫折したゴルフ場用地を買収したというだけあって、面積六十一万平方メートルの広大な敷地にざっと一万五千台ほどの中古車が並ぶ。 オークションビル三階の会場は映画館さながらのつくりで、座席には二千五百名が座れる。正面の五つのスクリーンそれぞれに二台ずつ、計十台(十レーンと呼んでいる)の中古車が映し出される。セリが開始される。五千円刻みで表示される価格たるや、まるでスロットマシーンのような速さでセリ上がる。座席では会員証を首からぶら下げたバイヤーたちがスクリーンに表示される価格の動きを一心不乱に追い、狙いをつけた価格になると瞬時に専用パソコンの赤いボタンを押す。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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