「温暖化」の立証が科学的な難題であることは確かだ。しかし、いま、あまりにも非科学的な言説が罷り通っている。[ワシントン発]先のアメリカ大統領選挙で共和党の副大統領候補となったサラ・ペイリン・アラスカ州知事は選挙戦のさなか、「温暖化の事実は認めるが、人為的なものではない」と発言した。「急激な気候変化が人為的な温室効果ガス排出によるものであることは、科学的に疑う余地がない」とするIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告から一年もたっていない時のことだった。足元のアラスカ州では、現に氷河が溶けつづけているというのに、科学的データを無視して、いったいどのような対策を講じられるというのか?
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