ブッシュ・ジョークの8年

執筆者:名越健郎 2009年2月号
タグ: 大統領 イラン
エリア: 北米

 米CBSテレビの深夜トークショーのキャスター、デービッド・レターマンは「米国の政治ジョークは過去8年間、空前の活況を呈した」と自賛したが、最大の功労者ブッシュ大統領は8年の任期を終えて退陣する。 英語の文法ミスから奇妙な言動、イラク、ハリケーン、リーマン・ショックといった相次ぐ失政で、ブッシュ時代の8年はネタに事欠かなかった。「不倫」のクリントン大統領と「軽い」ブッシュ大統領の計16年で、米国の政治ジョークは異常に高揚し、ホワイトハウスの威信は低下した。 ブッシュ大統領は12月14日、任期中最後のイラク訪問時に行なった記者会見でイラク人記者から靴を2度投げつけられ、これも格好のネタを提供した。平然とかわして「今の靴のサイズは10インチだね」と巧みに切り返したのは、トークショーも顔負けだった。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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