【インタビュー】ハサン・ムラト・メルジャン(トルコ国会外交委員長) アメリカから祖国に戻ったトルコ「積極外交」の推進者

「国民と人類に対する政治家としての責任」という言葉が、トルコ与党・公正発展党(AKP)の重鎮であるハサン・ムラト・メルジャン国会外交委員長(五〇)の口を何度もついて出た。たとえば、EU(欧州連合)加盟を求め続けることに対するトルコ国民の支持が下がろうとも、諦めることなく加盟努力を続けることの意義を説き続け、EUに対する働きかけを持続することが、「政治家としての国民に対する責任だ」というように。 一九八七年、トルコはEUの前身であるEC(欧州共同体)に加盟を申請。当初は国民の七五%が加盟を支持していたが、イスラム人口の多いトルコを迎え入れることを躊躇する欧州が、人権擁護や言論の自由、キプロス問題などで改善要求を寄越すばかりで加盟手続きが進まないことへの苛立ちから、現在の支持率は五〇%を割っている。

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執筆者プロフィール
草生亜紀子(くさおいあきこ) 翻訳・文筆業。NGO職員。産経新聞、The Japan Times記者を経て、新潮社入社。『フォーサイト』『考える人』編集部などを経て、現職。
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