核廃絶を国是としながら、本音ではアメリカの核による抑止力を必要とする――このジレンマからもはや目をそらせない。[ワシントン発]五月六日、アメリカの今後の核戦略と日本の安全保障に少なからぬ影響を与える報告書が発表された。米連邦議会の超党派の諮問委員会がまとめた「アメリカの戦略体制(America's Strategic Posture)」という最終報告書だ。 核テロや核拡散への対策、核抑止力のあり方、核軍縮の道筋――など、丁寧な検討が行なわれているが、超党派レポートの性格上、どちらかに傾いた突出した意見は少なく、米メディアはそれほど報じなかった。だが、今回の報告書は、アメリカの核抑止力に守られる同盟国、とりわけ日本にとっては、大きな意義を持つ内容となった。
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