オバマ大統領の「経営手腕」

執筆者:名越健郎 2009年7月号
エリア: 北米

 就任後百日の実力テストを切り抜けたオバマ米大統領は、金融危機対策を最大課題に掲げながら、公約していた外交の変革にも精力的だ。 プラハでは「核のない世界」を訴えてロシアとの新しい核軍縮交渉に着手。拷問が問題になったキューバ・グアンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容施設を閉鎖し、イスラム世界との対話に乗り出した。軍縮、環境、人権、国連の重視や国防予算削減が外交の新基軸だ。 大統領は欧州各地を訪れた際、「米国は変わった」と一極主義のブッシュ外交からの決別をアピール。これに対し、ブッシュ前政権の重鎮チェイニー前副大統領は「米国はより危険になった」と異例の批判をしており、保守派の巻き返しも予想される。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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