クーデターで現職大統領が追放されたホンジュラス。収拾策をめぐり、アメリカとベネズエラが米州の覇権を賭けた駆け引きを演じている。 中米ホンジュラスのセラヤ大統領が六月二十八日未明、軍に拘束されパジャマ姿のままコスタリカに追放された事件は、半世紀前まで中南米で頻発したクーデターを彷彿させるものであり、世界中が一様に非難したように、国際環境の変化との間に大きな落差を感じざるをえないものであった。 政変への対応をめぐっては、中米における反米左派の一角を死守したいベネズエラ・チャベス政権と、対中南米政策の変化を印象づけつつも中米の親米国からベネズエラの影響を減らしたい米オバマ政権が、いち早く一致してクーデターを非難する同床異夢を演じている。
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