行き先のない旅 (83)

「不滅の人」もびっくり 仏「若者ことば」の広がり

執筆者:大野ゆり子 2010年4月号
エリア: ヨーロッパ

 フランス語は頑なだ。コンピュータは「Ordinateur」、メールは「Courrier electronique(courriel)」といった調子で、英語を絶対にそのまま使わない。フランス語の番人のような役割を担っているのが、一六三五年に宰相リシュリューが創設したアカデミー・フランセーズである。批評家、詩人、哲学者、聖職者、政治家など当代一の学者、文人四十人によって「アカデミー・フランセーズ国語辞典」が編集され、何が許され、何が許されないかを決めていく。会員は別名「不滅の人」とも呼ばれ、フランス文化の権威を象徴する。

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執筆者プロフィール
大野ゆり子(おおのゆりこ) エッセイスト。上智大学卒業。独カールスルーエ大学で修士号取得(美術史、ドイツ現代史)。読売新聞記者、新潮社編集者として「フォーサイト」創刊に立ち会ったのち、指揮者大野和士氏と結婚。クロアチア、イタリア、ドイツ、ベルギー、フランスの各国で生活し、現在、ブリュッセルとバルセロナに拠点を置く。
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