尖閣問題と普天間移設と南シナ海問題は相互に関係している

執筆者:渡部恒雄 2010年9月21日
エリア: 北米 アジア

 日本では菅新内閣がスタートしたが、米国は菅首相の党首選の勝利をライバルの小沢氏よりも歓迎しているようだ。それを物語るのは、党首選前の9月11日付のワシントンポスト紙の直截的な社説だった。そのタイトルは、「日本の選挙―『単細胞』のアメリカ人は関心を示したほうがいいだろう」(`Simple-minded` American might want to pay attention)といって、小沢氏の「米国人は単細胞」発言に引っかけた毒のあるものだった。この社説は、小沢氏が米国人を「単細胞」呼ばわりした発言に言及しながらも、彼の米国人への偏見よりも深刻なことは、普天間飛行場の移設合意を再交渉しようとしていることだと喝破している。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
渡部恒雄(わたなべつねお) わたなべ・つねお 笹川平和財団上席研究員。1963年生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政治と政策、日米関係、アジアの安全保障の研究に携わる。2005年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て2009年4月より東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。2016年10月に笹川平和財団に転じ、2017年10月より現職。著書に『大国の暴走』(共著)、『「今のアメリカ」がわかる本』、『2021年以後の世界秩序 ー国際情勢を読む20のアングルー』など。最新刊に『防衛外交とは何か: 平時における軍事力の役割』(共著)がある。
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