見えてきた次世代携帯の実像

執筆者:馬場仁志 2000年6月号
タグ: 日本
エリア: アジア

「日欧方式」vs.「北米方式」市場争奪戦の行方

 二〇〇一年五月、携帯電話が大きく変わる。第三世代の次世代携帯電話「IMT-2000」が、世界に先駆けて日本で実用化されるからだ。

「IMT-2000」とは、国際電気通信連合(ITU)が中心となって通信方式の標準化を進めてきた国際規格を指す。「二〇〇〇年を目途に標準化を図る」、「世界共通で周波数二ギガヘルツ帯を用いる」という意味で標準化作業に「2000」が冠された。作業開始から十五年を経て、六月二日までイスタンブールで開催されたITUの世界無線通信会議でようやく標準化が決定した。IMT-2000で要求される機能的なスペックは、(1)地上固定網と同等なクリアな音声品質、(2)毎秒百四十四キロ―二メガビットのデータを電送できる高速データ通信、(3)世界中で同じ電話機を使える国際ローミング――などだ。一口に言えば、「インターネットに対応した高速データ通信対応の国際共通携帯電話方式を実現する」ということである。

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