野村―モルガン・スタンレー「接近説」の深層

執筆者:滝澤拓 2001年3月号

 金融再編劇に独り残った野村證券に、米系有力投資銀行モルガン・スタンレーとの接近が噂されている。モルガン・スタンレーといえば、ゴールドマン・サックスと並び称される投資銀行の雄で、現在、「ブッシュ政権に最も近い金融会社」(米系投資銀行関係者)と言われている。 クリントン米前政権とウォール街の連携は九〇年代の国際金融のメインテーマだった。それと比較すればブッシュ政権にはウォール街の影響力は小さいとの見方が一般的だ。それにもかかわらず、モルガン・スタンレーが注目されるのは、エール大学、ハーバード大学に学んだブッシュ氏が、経済政策スタッフをグレン・ハバードCEA委員長、ローレンス・リンゼー経済担当大統領補佐官といったハーバード人脈で固めたことに理由がある。WASP社会で“ホワイト・シュー(「いかにもアイビーリーグ的」の意)”と特別視されるモルガン・スタンレーは、ブッシュ政権と「人脈的に濃厚な関係をもっている」と、あるウォール街関係者は指摘する。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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