「安全な家」ではなかった統合欧州

執筆者:戸川秀人 2001年4月号
エリア: ヨーロッパ

グローバルな危機の連鎖には、あまりにも無防備な体制[フランクフルト発]「外部(米国)の環境が悪化したことで、好調だった昨年に比べ、ユーロ圏の今年の経済成長率は鈍化することが予見される。だが、一言に要約すれば、ユーロ圏経済は堅調と言える」 四月十一日、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会後の記者会見で、ドイセンベルク総裁は、いつも以上に歯切れが悪かった。米国と同時に景気後退する可能性はあるが、懸念には及ばないという。「我々のスタンスは、様子見(wait and see)である」。当面の金融政策の運営方針を聞かれて、、ドイセンベルク総裁は、こう宣言した。これでは金融政策がどちらの方向を向いているのか判らない。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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