エリザベス女王在位50周年の記念の年にもかかわらず、英国は女王祝賀一色ではなかった。人々の厳しい眼のなかで、英国王室はダイアナ流の近代化と変身を余儀なくされつつある。
[ロンドン発]11月1日、英BBCテレビのニュース専門チャンネルの画面に「緊急速報」の文字が流れた。「エリザベス女王の介入で、裁判が突然、決着しました。異例の事態です」。アナウンサーの声がうわずっている。故ダイアナ元皇太子妃の所持品を盗んだとして元妃の執事が窃盗罪に問われていた裁判で、「ダイアナの事故死直後、この執事からダイアナの所持品を保管していると聞いた」との女王発言がチャールズ皇太子を通じて警察に伝えられたという。「隠し持っていた」との前提が崩れたとして検察は訴追をあきらめたと、速報は続いた。
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