金融界でささやかれる再編観測がある。三菱東京フィナンシャル・グループ(FG)と野村ホールディングス(HD)が、経営統合に向けて動くのではないかというのだ。 これまで両グループの中核である東京三菱銀行と野村証券は「互いに最も疎遠な金融機関だった」(野村関係者)。バブル期に八十九回国債を巡って壮烈な「仕手戦」を演じた両者は、金融制度改革でも激しく火花を散らしてきたいわば宿敵同士。ただしここ数年、両グループが静かに接近しているのは事実である。 野村は一九九九年末、東京三菱からはじめて長期の借り入れを実施している。金額はみずほコーポレート銀行と並ぶ五百億円で、ある野村関係者は「時間をかけて他の金融機関の残高を調整して実現した」と振り返る。
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