松下上がればソニーが下がる「ものづくり」評価は移り気だ

執筆者:岡田浩之 2004年6月号
タグ: 日本 韓国
エリア: アジア

 景気回復が囃され始めた。原動力は製造業の復調で、薄型大画面TVやDVDレコーダーなどデジタル家電の貢献が大きいという。 我が世の春を久々に謳歌しているのは、一度はIT革命に乗り遅れた国内電機大手。松下電器や東芝、日立、パイオニアといったメーカーの製品が売れ筋商品として量販店を派手に飾っているのを見るたび、次の一節が頭をよぎる。「日本経済のポテンシャルは高い。(中略)製造技術もまだまだ優れている。その点で松下電器がMCAの売却を決めたことは賞賛に値する。日本の企業にソフトビジネスは無理だと言っているのではない。松下は、優秀なハードメーカーでもハリウッドの映画スタジオを経営する資質はなかったことを認めてバブル時代の誤りを否定し、メーカーとしての自覚を新たにした。これは、現実的で健全な勇気ある判断だということだ」

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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