米軍がインドに教えを乞うた「ジャングル戦」の秘訣

執筆者:ラムタヌ・マイトゥラ2004年8月号

[ニューデリー発]今年の春、インド北東部の密林で、米陸軍の歩兵約百名が三週間にわたり、不正規戦を想定した射撃訓練を行なった。三月二十八日から四月十六日にかけて、ミゾラム州バイレンテで実施されたこの「米印合同演習」は、9.11の同時多発テロ以降、急速に関係を深めつつあると言われる米印両軍の親密ぶりを物語るものだ。 この演習を指揮したインドの「対反乱戦・ジャングル戦闘学校」(CIJWS)は、一九七〇年に創設され、今日では世界屈指の対テロリスト戦訓練機関との評価を得ている。これまでにも、フランス、ロシア、ベトナム、スリランカ、中央アジア諸国など、世界各国の軍隊から訓練の要請を受けた実績を持つ。「ゲリラとは、ゲリラのように戦え」というのが同校の教育方針だ。「ウォー・リハーサル(戦争予行演習)」と銘打たれた今回の合同演習で特筆すべきは、米陸軍の一般歩兵部隊が初めて参加した点にある。従来、同校の演習に参加するのは、米軍の中でも特殊部隊に限られていたからだ。今回、米陸軍からはアラスカ基地・第一七二ストライカー戦闘旅団(SBCT)に所属する第一歩兵連隊第二大隊の一個小隊が参加。インド軍からは、第九ラジプット大隊の一個中隊がこれを迎えた。ちなみに、SBCTとは、米軍が誇る最新鋭の装甲車を装備した、緊急即応部隊である。

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