レーガンの後継者

執筆者:名越健郎2004年8月号

「強いアメリカ」を再生させ、冷戦勝利につなげたロナルド・レーガン元大統領の死を、全米が悲しみ、喪失感を強めている。 国葬前後、米国のテレビは連日追悼番組を流し、大統領選挙戦も一時休戦。議会はレーガン氏を10ドル札の顔にすることを検討し、各地で「レーガン通り」「レーガン広場」と改称する動きも伝えられる。10年間アルツハイマー病と闘ったことも、米国民の同情を集めた。 レーガン氏はジョークの達人で、多くの傑作が米国のメディアで改めて紹介されている。 1980年の大統領選では、「不況とは、あなたが失業すること。経済回復とは、カーター大統領が失業することだ」と攻撃、84年の大統領選でモンデール氏から「高齢」を追及されると、「わたしは対立候補の若さと経験のなさを争点にするつもりはない」とかわした。記者会見で「リセッション(経済後退)へのあなた自身の責任はないのか」とただされると、「長年民主党員だった責任がある」と答えた。ゴルバチョフ氏との米ソ軍縮交渉では、ロシアのアネクドートを収集して構想を練ったものだ。 問「レーガン氏の功績は何か」 答「政治とショービジネスという誠意に欠ける2つの職務に尊厳をもたらしたことだ」

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