公安当局が監視対象とする組織「民主統一同盟」(戸田政康代表)が主催するシンポジウムなどに参加する民主党の若手・中堅議員が増えており、その政治的狙いが注視されている。 民主統一同盟は、七〇―八〇年代に内ゲバ殺人事件を繰り返した「マルクス主義青年同盟(マル青同)」から改組された極左組織。数年前から「『がんばろう、日本!』国民協議会」の名称で活動している。「日本に真の保守政治を」などのスローガンを掲げているが、「戸田代表は毛沢東思想に心酔する左翼で、看板と現実は一致しない」(公安関係者)という。 これまでシンポジウムなどへの出席が確認されているのは、原口一博、野田佳彦、前原誠司、武正公一、松原仁、古川元久、手塚仁雄、長島昭久の各衆院議員、大塚耕平、蓮舫の両参院議員、民主党出身の松沢成文神奈川県知事、上田清司埼玉県知事ら。 この組織の民主党への接近は、昨秋の衆院選後、顕著になった。公安当局者は「戸田代表は民主党議員をいつも論破する。プライドが高い議員らは再討論を挑む。討論会の発言を本にして贈呈し議員心理をくすぐるなど手がこんでいる。民主党の保守系議員を今からとりこんでおく狙い。不気味な動きだ」という。もっとも、今の時期にこういう話が流れるのは、「野田氏ら松下政経塾出身者を中心とする若手を潰そうとする民主党内の動き」という解説もある。

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