北海道北部、オホーツク海に面した興部町。その興部警察署の山茂雄署長(五六)が八月四日、官舎で首吊り自殺した。裏金問題での対応に苦慮した末とみられる。 山署長は四月に道警の内部調査で同署の状況を聴かれ、九月には監査委員の聴取を受ける予定だった。六月には、会計検査院が道警本部暴力団対策課の実態を検査。山署長は二〇〇〇年二月から一年間、同課の次席を務めていたが、「本部の課の次席」こそ、裏金づくりの責任者ポストだった。 裏金問題では現在、道警のすべての部署を対象として、道警による「内部調査」と、北海道監査委員による「特別監査」が同時並行で進んでいる。問題は後者だ。 裏金づくりが次々と発覚した後の特別監査で現場捜査員らが相次いで「裏金は事実」と認めており、それが上層部を追い詰めている。道警は「対応は所属長の判断に任せるが、何かあったらその部署の責任」との姿勢を変えておらず、中堅幹部の混乱に拍車をかけている。幹部の間には「第二、第三の興部署長」を懸念する声も出る。

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