九月二十日に行なわれるインドネシアの大統領選の決選投票に向けて、政党間の水面下の工作が激化し、「連携」の条件として閣僚ポストが使われている。 七月の一回目の投票でトップとなったスシロ・バンバン・ユドヨノ候補と、二位につけて決選投票での逆転勝利を狙うメガワティ大統領の両陣営は、国会の最大勢力であるゴルカル党への接近を続けてきた。大統領率いる闘争民主党は内閣の要となる政治・治安担当調整相を含む八つの閣僚ポストを提示、ゴルカル党にメガワティ支持を持ちかけた。 これに対し、世論調査での有利な結果を背景に「連立工作は決選投票後」と悠長に構えていたユドヨノ陣営も、副大統領候補のカラ氏がゴルカル党員であることから、ゴルカル党内で支持獲得を訴え、「闘争民主党と同数の閣僚ポスト」を提示したとされる。 この間、闘争民主党は開発統一党や国民覚醒党などとの連携も進めたため、ユドヨノ氏も焦りだしてきた。連携工作には現金も飛び交ったが、結局、ゴルカル党は八月十五日、メガワティ支持を決めている。

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