動き出した米主導の「対北対話路線」
2011年2月2日
北朝鮮による昨年11月の延坪島砲撃で緊張が高まった朝鮮半島情勢が、今年1月19日(日本時間20日未明)の米中首脳会談を機に、対立局面から対話局面に大きく転換しつつある。 韓国と北朝鮮は2月1日、南北高位級軍事会談の予備会談を8日に板門店で開催することで合意した。延坪島砲撃で交戦した南北の軍事当局が協議のテーブルに着くことになった。 米国のオバマ大統領と中国の胡錦濤主席が首脳会談後に発表した共同声明では、国際・地域問題の相当部分を北朝鮮問題への言及に割き、両首脳は①韓国と北朝鮮が誠実で建設的な対話を始めることが非常に重要な一歩②北朝鮮によるウラン濃縮計画を懸念③早期の6カ国協議再開に向けた措置の必要性――で見解の一致を見た。中国はそれまで北朝鮮のウラン濃縮について対外的には判断を留保していたが、ここで明確に「憂慮」を表明した。一方、米国は昨年3月の哨戒艦沈没や延坪島砲撃への非難には言及せず、南北対話の促進、6カ国協議再開という中国が主張して来た対話路線に同調し、米朝がそれぞれ歩み寄った形で、朝鮮半島情勢を対立から対話局面に誘導する意志を明確にした。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。