悩み深い米インテリジェンス・コミュニティ

執筆者:春名幹男2011年2月3日

 ヨルダン情勢も深刻、との情報で、一昨年訪日したハレビー元モサド長官と食事した時のことを思い出した。彼の腕時計がパイロット用のすごいモノだったので、そのことを質問したら「故フセイン・ヨルダン国王にもらった」との話だった。インテリジェンスの側面から情勢を分析する必要がある。

 米インテリジェンス・コミュニティも中東情勢を憂慮しているが、恐らく国によって心配する中身が違うだろう。ヨルダンには、CIAは大きい支局を維持しているし、現政権の継続を強く望んでいる。イエメンは、CIAが無人機プレデターを飛ばし、アル・カエダ掃討作戦を展開中であり、サレハ政権を守ろうとするだろう。

 それにしても、エジプト情勢は、不意を突かれ、後手に回っている印象が強い。オバマ大統領は当初「秩序ある政権移行」を主張し、情勢が深刻化すると「秩序ある政権移行をすぐに」と言い出した。信頼できる受け皿がないため、悩みは深いだろう。

 

 

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